竹尾真紀子さんから、スイスを代表する作曲家、オトマール・シェックの没後60年に際して、コンサート情報を頂きましたので、掲載させて頂きます。
竹尾さんからのご紹介文と、チラシのリンクです。
この度、スイスを代表する作曲家、オトマール・シェックの没後60年に際して、小さなフェスティバルを催すこととなりましたので、ご案内させて頂きます。
シェックが生涯のほとんどを過ごしたチューリヒでも、今年3月8日の命日を最終日に、現地の音楽家仲間とともにフェスティバルを行いましたが、東京でも、シェックと関わりのあった方々のもとで学んだ音楽家を中心に、三つの歌曲コンサートをさせて頂きます。特にテノールの望月哲也さんの師、エルンスト・ヘフリガーは日本でもお馴染みの名歌手でしたが、数多くのシェック歌曲を作曲家自身のピアノで初演しました。
第一夜のプログラムは、主にシェックが好んで付曲した詩人ごとの構成にしましたが、
16歳から最晩年まで半世紀にわたって書かれた、まさに選りすぐりの歌曲ばかりです。
シェックが、自分にとっての「歌曲における大形式」として、「歌曲集」を編むことに
こだわりを持っていたことから、第二夜、第三夜においては、ヨーロッパにおいても演奏されることの極めて稀な五つの連作歌曲集を全曲演奏致します。ほとんどが本邦初演ではないかと思われます。とても多彩で面白く、聴きごたえのある傑作ぞろいです。
第二夜は、スイスの大詩人コンラート・フェルディナント・マイヤーの28の詩によって編まれた大作の歌曲集『静謐なる輝き』作品60。戦後、アルプスの「大いなる静謐な輝き」に対して、「小さな静謐な輝き」を故郷に遺そうとの思いが込められた晩年の代表作です。
第三夜では、思いもよらない編成による素晴らしい歌曲集も紹介致します。
文豪ヘルマン・ヘッセは、驚くほど確かに詩の核心を捉えるオトマール・シェックの天賦の才を惜しみなく絶賛し、作品がより評価され、長く世に残ることを疑わなかったのですが、生涯にわたって書き続けられた400曲にものぼる歌曲がとりあげられる機会はなかなかありません。
秋の月命日に催す三つの歌曲の夕べを通して、シェック歌曲の魅力を味わって頂けましたら幸いです。