スイス文学・芸術論集 小さな国の多様な世界

著者;

スイス文学会編

出版社;

鳥影社

出版日:

2017/06/25

ISBN;

978-4862656124

価格;

2052円

内容紹介

スイスをスイスたらしめているものは何なのか。文学、芸術、言語、歴史などの総合的な視座から、小さな国の大きく豊かな存在の秘密を明らかにする。(鳥影社より)

目次

大串紀代子
『私たちスイスの立場』 —カール・シュピッテラーの演説
曽田長人

J・R・V・ザーリスのスイス観 —冷戦期の中立理解を手がかりに

中川裕之
多言語グラウビュンデンのレト・ロマン語方言の書きことば成立の歴史
識字教育につながる聖書翻訳とその文学的開花例としての抒情詩
川島隆
シャルル・トリッテンの『ハイジ』後編
—スイスの国民的アイデンティティとの関連で
鍵谷優介
ヘルマン・ヘッセとスイス —「郷土愛」と「ナショナリズムからの離脱」
若林恵
ポリフォニーの響き —ローベルト・ヴァルザーの散文における音楽性
新本史斉
「チビノヤコプリ ジジノヤコプニ ヨロシク ヘディ」あるいは
フリードリヒ・グラウザーの探偵小説『体温曲線表』における
言語の複数性と言語の彼岸
関口裕昭
マックス・フリッシュ『アンドラ』におけるユダヤ人像 —バッハマン、ツェランとの伝記的関係からの考察
松鵜功記
罪なき者の罪 —ルーカス・ベアフース『100日間』におけるヨーロッパ理念の解体と当事者性について
橋本由紀子
二種類の小人が意味するもの—クリストフ・バドゥー他『連邦警官ショッホ—赤いとんがり帽子作戦」における小人のモチーフ
須永恆雄
アドルフ・ヴェルフリ —無限増殖混淆曼荼羅—字と絵のカオス・コスモス