内容紹介
スイスをスイスたらしめているものは何なのか。文学、芸術、言語、歴史などの総合的な視座から、小さな国の大きく豊かな存在の秘密を明らかにする。(鳥影社より)
目次
- 大串紀代子
- 『私たちスイスの立場』 —カール・シュピッテラーの演説
- 曽田長人
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J・R・V・ザーリスのスイス観 —冷戦期の中立理解を手がかりに
- 中川裕之
- 多言語グラウビュンデンのレト・ロマン語方言の書きことば成立の歴史
識字教育につながる聖書翻訳とその文学的開花例としての抒情詩
- 川島隆
- シャルル・トリッテンの『ハイジ』後編
—スイスの国民的アイデンティティとの関連で
- 鍵谷優介
- ヘルマン・ヘッセとスイス —「郷土愛」と「ナショナリズムからの離脱」
- 若林恵
- ポリフォニーの響き —ローベルト・ヴァルザーの散文における音楽性
- 新本史斉
- 「チビノヤコプリ ジジノヤコプニ ヨロシク ヘディ」あるいは
フリードリヒ・グラウザーの探偵小説『体温曲線表』における
言語の複数性と言語の彼岸
- 関口裕昭
- マックス・フリッシュ『アンドラ』におけるユダヤ人像 —バッハマン、ツェランとの伝記的関係からの考察
- 松鵜功記
- 罪なき者の罪 —ルーカス・ベアフース『100日間』におけるヨーロッパ理念の解体と当事者性について
- 橋本由紀子
- 二種類の小人が意味するもの—クリストフ・バドゥー他『連邦警官ショッホ—赤いとんがり帽子作戦」における小人のモチーフ
- 須永恆雄
- アドルフ・ヴェルフリ —無限増殖混淆曼荼羅—字と絵のカオス・コスモス