発表者:
若林 恵
日時:
2024/03/28
場所:
明治大学(駿河台)アカデミーコモン309J
発表要旨;
ローベルト・ヴァルザーは兄で画家のカール・ヴァルザーの絵画作品をテーマとしたテクストを書いている。カールの絵画には「読書する人物」や「寝そべる人物」が描かれているものがいくつかあるが、こうした人物たちはローベルトの散文テクストにおいては「夢想する怠け者」「夢想する詩人」として登場し、他の絵画で描かれている、窓から身を乗り出している人物も、散文テクストでは外の自然に身を晒して「夢想」している。
本発表では、カール・ヴァルザーの絵画に描かれた「読書する人物」や「寝そべる人物」、あるいは「窓辺の人物」をローベルト・ヴァルザーが「夢想する者」としてどのように言語化しているのか、さらには絵画の中の音楽の言語化について分析し、その手法を明らかにする。