17世紀のテル劇J. C. ヴァイセンバッハ『スイスの姿』(1673)第一幕について -シラー『ヴィルヘルム・テル』(1804)と比較して

発表者
橋本由紀子
日時:
2023年3月28日
場所:
オンライン

発表要旨:

 ヨーハン・カスパー・ヴァイセンバッハ(1633-78)は、17世紀スイスのカトリック圏における劇作家として重要視されている。彼の代表作である演劇『スイスの姿』(1673年)には、スイスを女神の姿で表したヘルヴェティアが登場するが、これが現在普及している女神ヘルヴェティア像の始まりとされている。それにも関わらず、本作品については、ほとんど知られていないのが実情である。そのため、まずは筆者と本作品全体の概要、および第一部のみの内容を紹介し、次に、第一部と類似の内容を持つシラーの『ヴィルヘルム・テル』(1804)と比較し、『スイスの姿』(第一部のみ)の実像の解明を試みた。